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南アフリカの基礎情報
南アフリカはアフリカ大陸最南端に位置しており、大自然の美しさと発展する経済の両方を持ち合わせた国です。自然保護区や国立公園などが数多く存在し、サファリやフラワーウォッチ、ホェールウォッチ、さらに海洋部ではダイビングなど様々な楽しみ方があります。
基礎データ
・正式名称:南アフリカ共和国(Republic of South Africa)
・人口:5931万人(2018年、世界銀行)
・面積:122万㎢ *世界24位。日本の約3.2倍。
・首都:プレトリア
・経済都市:ヨハネスブルグ( Johannesburg)、 ケープタウン(Cape Town)
・言語:英語,アフリカーンス語,バンツー諸語(ズールー語,ソト語ほか)の合計11が公用語
・民族:黒人(79%),白人(9.6%),カラード(混血)(8.9%),アジア系(2.5%)
・宗教:キリスト教(人口の約80%),ヒンズー教,イスラム教等
・主要産業:
(農)畜業,メイズ,サトウキビ,大豆,柑橘類,その他の野菜・果物類,ジャガイモ,小麦,羊毛,皮革類
(鉱)金,プラチナ,鉄鉱石,石炭,銅,クロム,マンガン,ニッケル,ダイヤモンド,バナジウム,チタン
(工)食品,製鉄,化学,繊維,自動車
・名目GDP総額:2021年 4,180.2億ドル 世界33位、アフリカ2位
・1人当たり名目GDP:2021年 6,950ドル 世界89位、アフリカ6位
他のアフリカ諸国と比べ経済は発展していますが、貧富の差は未だに根強く存在しています。 アパルトヘイト諸法が廃止されて20年以上経った今でもなお差別やそれに派生する問題は残されたままです。
南アフリカと日本の貿易状況
南アフリカとの貿易は非鉄金属の輸入が大きな割合を占めています。昨年の調査によると、輸入額が輸出額の4倍の規模で行われていることが分かります。
・日本の輸出額:23.54億ドル
・輸出品目:輸送機器(52.4%)、一般機械(15.7%)、原料別製品(9.6%)
・日本の輸入額:100.99億ドル
・輸入品目:非鉄金属(78.0%)、鉄鉱石(6.5%)、自動車(2.4%)
また現地で活動する日本人は他のアフリカ諸国よりも多く、進出日系企業拠点数は268、在留邦人は1,112人となっています。
南アフリカへの商品の輸出手続き
南アフリカは様々な手続きを簡素化、オンライン化していますが、条件によっては複雑になってくるため注意が必要です。
輸出入許可申請の手続き
(1)南アフリカ歳入庁(SARS)への登録 *SARS
(2)輸出入許可が必要な製品については、貿易産業競争省(DTIC)のImport and Export Permit(輸入・輸出許可証)または関連各省に輸出入許可を事前に申請する。 *DTI
(3)プラグ付きの電化製品などを南ア国内に輸入・販売する場合は、製造・輸入者が事前に南ア国家強制基準監督局(NRCS)から承諾書(Letter of Authority: LOA)を取得する。 *NRCS
税関手続き
全てオンラインで手続きをすることができます。南アフリカ歳入庁:税関申告:Clearance Declaration
必要となる書類は?
どの国でも同様ですが、貿易をする際には多数の書類が必要となります。以下はどれも重要になるので、南アフリカとの貿易を考える際には漏れなく用意しましょう。
船荷証券(BL)もしくは航空運送状(AWB)(通関用、コピー可)
船荷証券は原則「指図式」(to order)ですが、特別な場合に限り「記名式」(straight)でも可能です。
原産地証明申告書(DA59)
特恵関税、アンチダンピング関税または相殺関税が適用される物品に使用されます。原産地証明を必要とする物品の商業用インボイスには、署名済みの申告書(コピー可)を添付しなければなりません。またEUとのFTAを利用してEUから商品を輸入する場合は、原産地証明書となる移動証明書(EUR.1)の提出が必要となります。
商業用インボイス(コピー可)
インボイスには、税関が価格決定を行うために必要な情報の記載が必要とされています。また、商品名や商標のほか、物品の性質や特徴、輸入税の査定や統計作成に必要な細目を記載しなければなりません。
パッキングリスト
前提として、記載内容は他の書類の記載内容と一致しています。南アフリカ歳入庁は無償インボイスを認めておらず、貨物には正しい価値を記載する必要があります。
また規制対象品目を輸入する場合、積荷を発送する前に輸入許可証(Import Permit)の取得が別途必要となり、許可がない場合は処罰の対象となります。輸入許可証は貿易産業競争省輸出入管理局長が発行するもので譲渡不可、交付を受けた者のみが使用できるものです。また、有効期間は交付された暦年内です。規制対象品目は減少していますが、中古品の輸入にはほとんどの場合輸入許可証が必要となります。
南アフリカ貿易・輸出の基礎まとめ
著しい経済成長の中でまだまだ差別や貧富の差などの問題が見え隠れする南アフリカですが、日本との取引額も多く、今後も貿易規模は拡大していくと予想できます。当サイトではその他の国についてもご紹介していますので是非ご覧下さい。
カテゴリ:アフリカ輸出ビジネス